美しい伝統の織物知って『ポーランド・ヤノフ村の織物展』

10月31日(月)まで/のこぎり二 隣接の蔵で

村の生活が表現されたタペストリーなどが展示。二重織りが分かるよう織機も設置されています

 あいち国際芸術祭2022の会場になっている「のこぎり二」の隣の蔵で10月31日(月)まで、ポーランドの織物展が開催中です。
 ポーランド東北部のヤノフ村に伝わる織物は、18世紀から村の農家の女性に代々受け継がれてきたもの。上下に張ったたて糸とよこ糸を交差させながら織り成す〝二重織り〟という特殊な技法により、表裏どちらも楽しめる織物で、村の美しい自然や人々、動物などをモチーフにした豊かな表情が特徴です。こうした技術やモチーフは人の手から手へ伝えられるため、図案はなく、織り手が頭の中で完成図を描き、織っていくのだとか。
 また、この織物ができるまでには、羊毛を洗い、糸を紡いで染色し機に糸をかけて織って、と気の遠くなるような長い工程が必要。それだけに、手仕事ならではの温もりと魅力がたっぷり伝わってきます。
 現在、この織物を織れるのは8人のみとあって、技術を次世代へ残そうと、展覧会や織物の教室など、日本でもさまざまな活動が行われています。今回の展示もその一環で、展示されたタペストリーなどから、永い歴史と貴重な伝統文化に親しむことができます。開催は10時~17時、入場無料。不定休。展示品は購入可能です。
※10月20日(木)以降は展示縮小

織り手の思い出や物語性のある織物にも注目を

のこぎり二
一宮市篭屋4-11-13