デイサービス利用者が店番に ことぶき福祉会ふくじゅ

生きがいは駄菓子屋で子どもとのふれあい

「こんにちは」「いらっしゃい」。毎週土曜、子どもたちの声が響く「駄菓子屋ふくじゅ」。ここは、一宮市末広の「ことぶき福祉会ふくじゅ」施設の一角。店内には、ラムネやチョコレート、スナック菓子など昔ながらの駄菓子が並び、それを吟味する子どもたち。店番役として見守るのは施設職員やデイサービスの利用者たち。世代を超えたほほえましい光景が広がります。

子どもたちでにぎわう店内

同施設が駄菓子屋を始めたのは3年前。年々駄菓子店が減っていくなか、「利用者の活躍できる場を」「子どもたちの安心できる居場所を」との想いからオープンしたもの。
この日、店番担当だった施設利用者は「子どもたちを見ているだけで元気をもらえる」と笑顔。会計で預かったカードにスタンプを捺して、子どもに差し出します。店内の菓子には、値段ごとにシールが貼ってあり、これも全て利用者らの手作業。購入した菓子を入れるエコ袋も一つ一つ手づくりしています。

子どもにカードや紙袋を渡す店番の利用者

「“子どもたちのため”が、皆さんの楽しみにつながっています」と職員の飯田登美子さん。施設利用者にとっては、社会とつながる活躍の場だけに、大きな喜びや生きがいに。子どもたちも、お年寄りとの交流を通して、思いやりの心が芽生えたり、買い物をする楽しみ、お金の大切さを学ぶ機会になっています。今では、友だちと集まって勉強する姿も見られ、「地域に開かれた場として、福祉のイメージが変わるきっかけになれば」と期待が寄せられています。

近所の駄菓子屋に集まって、友だちと遊ぶ。そんな懐かしい光景が広がる駄菓子屋ふくじゅ。そこには、お年寄りと子どもたちのふれあいから生まれるやさしさがあふれていました。
■駄菓子屋ふくじゅ(一宮市末広2-28-25、ふくじゅ南館1階)、毎週土曜10時~16時
☎0586(47)3580

instagram:@fuku_2910