さまざまな経験をアイデアの引き出しに
運動部と美術部を兼部しながら、立体造形作品を作ってきた北林成章さん。木材や紙、針金など幅広い素材を手に、気持ちを織り込んだものや家具など、振り幅の広い表現と発想を形にしてきました。
高校一年の冬、美術部顧問からの誘いで、一度あきらめた美術への道が再燃した北林さん。入部初の作品は、県大会出場作品にも選ばれたほどの完成。それが「restloom-休める織機」です。一宮の織機をモチーフに、ハンモックと椅子を融合させた作品は、考える7割、つくる3割の理念のもと、熟慮したデザインと接続部の加工や、椅子の耐久性など随所にこだわり、印象深さが秀でたものに。
「アイデアの素は趣味のDIYや釣り、カメラ、自分のほしいものなど。引出しは多く持っていたい」と北林さん。美術に対する考え方や価値観の広がり、作品展で得た意見、人の作品から受けた経験などを糧として自らの引き出しにしています。
春からは武蔵野美術大学の工芸工業デザイン学科へ。「デザイナーとして活躍するのが第一目標。その後、社会に貢献できるようなことと融合させて活動していきたい」と目を輝かせていました。